【読了記録】女には向かない職業/P・D・ジェイムズ(女探偵コーデリア)
どうも、さっさです。
P・D・ジェイムズの小説『女には向かない職業』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
マンガ『名探偵コナン14巻』の裏表紙の裏にある探偵紹介コーナーで見て即ポチしました。
女性の探偵って珍しいんですよね。ミステリーの主人公の多くは男性なので、興味がわきました。
ちなみにこの小説はKindle版で買いました。書店に置いてあるとは思えなかったものですから、探しにもいきませんでした。この点は電子版って便利ですね。
読書端末はKindle Oasisを使っています。
小説が目的でKindle Unlimitedに加入しています。
あらすじと感想
探偵稼業は女には向かない。ましてや、22歳の世間知らずの娘には―誰もが言ったけれど、コーデリアの決意はかたかった。自殺した共同経営者の不幸だった魂のために、一人で探偵事務所を続けるのだ。最初の依頼は、突然大学を中退しみずから命を断った青年の自殺の理由を調べてほしいというものだった。コーデリアはさっそく調査にかかったが、やがて自殺の状況に不審な事実が浮かび上がってきた…可憐な女探偵コーデリア・グレイ登場。イギリス女流本格派の第一人者が、ケンブリッジ郊外の田舎町を舞台に新米探偵のひたむきな活躍を描く。
「BOOK」データベースより
主人公が男性の探偵である場合、調査して空振りしながら手がかりを手に入れ、時には危ない目に遭うというのがよくあるストーリーです。全体的に荒々しい印象があります。
でもコーデリアのような女性探偵が主人公だと、こうも印象が違うのか。
あらすじに「可憐な女探偵」「ひたむきな活躍」とありますが、本当にそういう印象。
言動に泥臭さがありません。時には危ない目に遭いながらもなんとか真相にたどり着くという流れは、従来の小説と同じなのに受け取る印象はかなり違います。
冴わたる名推理、という感じでもありません。
愛用の拳銃と愛車のミニと共に、ただひたむきに調査を重ねて真相を追いかけます。
そんなコーデリアの姿は、確かにコナンのマンガで紹介されるだけの価値があります。(ベルモットみたいな身のこなし、器用さはありません)
ただ、気になるのは長台詞。
全員がまるで舞台にでも立っているかのように、どんだけ喋るの?ってくらい長いセリフを話します。
誰の相槌も無くあんなに話すことは日常会話では無いから、違和感があります。
「〜ですわ」なんて出てきますが、今は誰も言いませんよね。昔の本だからかな。翻訳にも歴史を感じます。この小説の出版は1987年。
普段最近の小説を読んでいて、ふとこの小説に触れると、文体に違和感があると思います。
不要な人物の不要なセリフも多いです。
まあ、そこは諦めずにサラッと読んでいけばいいです。
コーデリアの言動だけちゃんと見ていれば大丈夫だと思います。
読書って1字1句を追いかけるものだと思っている人がいますが、そうでも無いですからね。
ピンとこないところとか、なんとなく流れが想像つくところはサーっと読んでしまえばいいです。
そういえば、イギリス人って世間話をほとんどしないんですよね。電車の中で相席すると魔が持たなくて大変だ、という内容の英語長文を読んだことがあります。あ、大学受験前の話です。
となると、一旦話し出したら舞台俳優みたいに長台詞にならざるを得ないんでしょうね。
話したいことは全部話し切って次の人のターンになる、みたいな。
この辺の文化の違いも「なるほど」と思って読めたら、この小説がさらに面白くなりますね。
まあ、そもそも22歳のキレイな女性が探偵をやっているというだけで男性読者なんかはスムーズに読めるのではないでしょうか。お色気シーンはありませんけどね。
まとめ
いかがでしたか?
今回はP・D・ジェイムズの小説『女には向かない職業』の読了記録でした。
文体に違和感がありつつも、女探偵が可憐にひたむきに調査を重ねるいい話でした。
この小説には『皮膚の下の頭蓋骨』なんて続刊があります。
読むっきゃないかな。
それでは、また。