【読了記録】修羅の家/我孫子武丸(まさに修羅)
どうも、さっさです。
我孫子武丸の小説『修羅の家』を読みました。
ネタバレ無しの読了記録です。
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我孫子作品履歴
①SFC「かまいたちの夜」:小学生の時にプレイ。ストーリー、犯人、アナザーストーリー、全てがお見事な名作。
②『殺戮にいたる病』:Twitterで他の人の読了ツイートを見て即ポチ。名作。
『殺戮にいたる病』の読了記録↓
そして今回、Kindle Unlimitedにわいてきたのが『修羅の家』。我孫子作品といえば、グロくて面白いに決まっているという信頼で即ポチしました。
あらすじと感想
簡易宿泊所で暮らす晴男はレイプ現場を中年女性・優子に目撃され、彼女の家につれていかれる。そこには同じ格好をした十名ほどが「家族」として暮らしていた。おぞましい儀式を経て一員となった晴男は、居住者は優子に虐待されていることを知る。一方、区役所で働く北島は、中学時代の初恋相手だった愛香と再会し「家族」での窮状をきく。北島は愛香を救い出す可能性を探るが、“悪魔”が立ちはだかる。
「BOOK」データベースより
評価☆☆☆☆★(星4)
グロくて面白い。期待を裏切られませんでした。
優子。
アカンおばちゃん。居住者たちを虐待しています。収入は、居住者たちが知り合いから金借りをしたり、近所で窃盗や強請りをしたりして得たお金です。
優子が気に入らないことがあれば、居住者たちは食事抜きにされたり、ムチで撃たれたりと容赦ない罰が待っています。
まさにそこは「修羅の家」。
公園でのレイプ現場を優子に目撃された晴男。
今よりいい暮らしができそうだと、優子の家について行ったが最後。強烈な服従生活が待っていました。
注目すべきは、晴男の心理の変化。
最初の頃は、「いつか優子を出し抜いてやろう」と野心を持っていますが、いつの間にか優子に従っていた方が楽なのではないか?と、服従することを選択。
怒ったジャイアンに何も言えないのび太みたいなことが、食事抜きと暴力が絡んで展開。
学校や会社で自分も似たような状況になっていたなあ、と我が身を振り返ります。
実際にこんなことになっている家がないことを祈らずにはいられない狂気の沙汰が日常になっている家です。
果たして、晴男の運命とは?無事に優子のところから脱出できるのでしょうか……。と、ここからは読んでのお楽しみ。
いやあ、面白かった。
やっぱり空腹だとか、強烈な支配、貧困といった危機。その時の人間模様が勉強になります。
終盤では「マジか…」ということが待っていて、まさに「修羅」という言葉がふさわしい展開。
でも、「そこで終わらないで〜」と、まだまだ続きを見ていたい感じでフィニッシュ。
このモヤモヤも心地いいと思わされます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は我孫子武丸の小説『修羅の家』の読了記録でした。
生きるか死ぬか、という中での人間模様はやはり面白い。
我孫子作品は間違いないと確信を深めました。
この小説の前は伊坂幸太郎の『グラスホッパー』を読みました。伊坂作品は「殺し屋」と「死」がよく出てくるのですが、軽いノリとユーモアで乗り切る感じが、僕にはイマイチでした。実際に乗り切れないですからね。
やっぱり「生きるとは?」「死とは?」って考えさせられるものの方が好きです。
他の我孫子作品も読みたいと思います。
それでは、また。