【読了記録】七色の毒/中山七里(7つのミステリー集)
どうも、さっさです。
中山七里の小説『七色の毒』を読みました。
ネタバレ無しの読了記録です。
読んだ経緯
前作『切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人』からの勢いで読みました。
最近は普通のミステリーに飽きていて、Amazonでハードボイルドを探していたところ、ヒットしました。
小説は電子版で読んでいて、端末はKindle Oasisを使っています。
あらすじ
中央自動車道を岐阜から新宿に向かっていた高速バスが防護柵に激突。1名が死亡、重軽傷者8名の大惨事となった。運転していた小平がハンドル操作を誤ったとして逮捕されるも、警視庁捜査一課の犬養は事故に不審を抱く。死亡した多々良は、毎週末に新宿便を利用する際、いつも同じ席に座っていた。やがて小平と多々良の過去の関係が明らかになり…。(「赤い水」)人間の悪意をえぐり出した、どんでん返し満載のミステリ集!
「BOOK」データベースより
タイトルの「七色の毒」とは、7つの事件があって、7人の犯人がいる、ということですね。
1 赤い水
バス運転手が高速道路で衝突事故を起こして、左前に座っていた人を死なせてしまいます。運転手の過失で処理されそうなところを、犬養が真実に気づきます。
2 黒いハト
雅也が中学校の屋上から飛び降りました。日常的に雅也へのいじめが発生していたことが分かります。犬養は捜査を進めるうちに、更なる真相にたどり着きます。
3 白い原稿
作家として賞を取った篠島タクが、公園脇のベンチで死体として発見されます。胸にはナイフが突き刺さっており、刺殺事件として捜査が進みますが、関係者を調べているうちに、死因が視察ではないことが分かります。犬養がたどり着いた真相とは。
4 青い魚
モテない亮(45歳、実家の釣具店を引き継いで経営)と恵美の夫婦。恵美の兄・由紀夫はちょこちょこ釣具店にやってきては、恵美と仲良く話しています。ある日、3人でハギを釣りに出かけた時に事件発生。またしても犬養があっさり真相にたどり着きます。
5 緑園の主
ホームレスの黒沢が放火によって死亡。犯人は小栗拓真14歳。拓真は下校中に突然毒物を吐き出して死亡。拓真は都営グラウンドでサッカーをしている時に、近所の庭にボールを入れてしまいますが、そこのおばあちゃんはいつも優しくボールを返してくれます。犬養が事件の真相に迫ります。
6 黄色いリボン
小学4年生の桑島翔。学校で性同一性障害の授業がありました。帰宅した翔はメイクして着替えて、仮の妹・ミチルに変身。この趣味を知っているのは両親だけ。団地内をうろうろしながら、バレていないスリルを楽しんでしました。ところが、ミチル宛ての郵便物が届いたり、ミチルと分かって声をかけてくる人が現れたりします。
7 紫の供花
「1 赤い水」であった、バス事故の違う被害者についての話。
評価
☆☆☆★★(星3)
ストーリーがよくできていて、短編集ならではのテンポの良さがありました。
短編なので仕方ありませんが、犬養があっさり真相に気づいてしまうところに前作とのギャップがあります。
前作では切り裂きジャックにたどり着くために、長いことうろうろしましたからね。
その時の感覚からすると、「あっさり解決するな〜」という印象です。
良かったのは4、5、6。
4、やっぱり寄ってくる人はすぐ信用してはいけません。
5、何が人に殺意を抱かせるのか分かったものではありません。態度や言動には気をつけないといけないですね。
6、多様性を考えるのはいいことです。でも実際に身近に性的マイノリティーがいたら…悩みますね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は中山七里の小説『七色の毒』の読了記録でした。
最初のバス事故の話を読んでいる時に、ページ数少なく真相にたどり着いてしまったので、この先どうなるんだろう、と思っていたら短編集でした(汗)。
Amazonで詳細をよく見ていませんでした。でも詳細を見てしまうと、下にあるレビューも気になってしまって、ついスクロール。読む前にいらない情報が入ってきてしまうのが嫌なんですよね。
まあ、いいです。
どうせこのシリーズも全部読みますから。
今作では、犬養は脇役のような扱い。犬養自身の深掘りはありませんでした。
まるでホームズかポワロのように、あっさり真相にたどり着くのが印象的でしたね。
次巻では病気の娘も絡んだ深堀りがあるといいな。
それでは、また。