【読了記録】虹を操る少年/東野圭吾(人類初の光楽家登場!でもここで終わらないで〜!)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『虹を操る少年』を読みました。
文庫本発行が1997年7月15日。(中3の時だ。もし当時読んでいたら、もっと感動したんだろうな。)
読了日は2022年4月14日。
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読んだきっかけ
東野作品全制覇計画が進行中です。本棚にずらっと並べたものを1冊ずつ減らしてきました。これで99冊中88冊読了です。
全部読んでどうするの、って?
まあ、どうもしません。
ただただ読みたいだけです。
おもちゃを与えられた子どもが時間を忘れて遊びに没頭するように、なんか読んでしまいます。
あらすじ
「光にメロディがあるの?」「あるさ。みんな、そのことに気づいていないだけさ」。“光”を“演奏”することでメッセージを発信する天才高校生・光瑠。彼の「光楽」に、感応し集う若者たち。しかし、その力の大きさを知った大人たちの魔の手が忍び寄る。新次元コミュニケーションをめぐる傑作長編ミステリ。
『BOOK』データベースより
光が見えて、光を演奏できる男・白河光瑠。
彼は幼少期に、クレヨンで身の回りの物の色を完璧に再現できる天才でした。紙で色を再現したものをカーペットの上に置いておいたら、父親が本物のカーペットと間違えて踏んでしまったという場面があります。
その後は知識欲が止まらず、本をむさぼり読んだ光瑠。授業で話を聞いていなくても好成績をキープ。先生が知らない専門的なことまで覚えてしまって、授業中に先生を困らせる場面も。
高校入学を機に新しいパソコンを買ってもらいます。光瑠はそのパソコンで、光を演奏する機械を作り、深夜2時に小学校の屋上で演奏を始めます。
そのうち、その光を見た者たちが集まってきて、たちまち評判になります。光瑠は「光楽家」と呼ばれていました。光瑠の光を見ていると気持ち良くなって、それまでくよくよしていたものがなくなり、前向きに活動できるようになる人が増えていきます。
さて、ここからがこの本の見どころ
・光瑠は光を使って演奏することで、何がしたいのか?
・光瑠の演奏を見た人の中から、光瑠と同じような力を持った人が現れます。この後、どうなっていくのか?
・光瑠の力を利用しようと近づく者たちの登場。光瑠はどうするのか?
感想
・新しい能力を持った人間の登場にワクワク!
光瑠には人が発する光が色付きで見えています。その光り方で、好きな人が分かったり、モチベーションが分かったりするのです。もはや言葉にしなくても他人の気持ちや状態が分かってしまいます。
でもこの力、欲しいかは微妙。
自分に好意を持っている人の近くにいるのは嬉しいことです。でも、そうではない人が暗い色の光を放ちながら自分のところに近づいてくるのは嫌ですね。ニコニコしながら話してくれているのに、実は嫌われているなんて、嫌すぎます(汗)
・やっぱり出てきた権力者。東野作品は実生活でも役立ちます。
光瑠の演奏でお金を集めようとする権力者。光瑠の能力でピラミッドが崩れるのを恐れ、光瑠を排除しようとする権力者。
新しいものの出現には、利用する者と排除しようとするものが必ず現れます。
会社内でもあります。実績をあげている若者には、急に優しくなる上役と、反対派の上役が現れるのです。
学校でも家族でも町内でも、人間の営みというのは常にこの形になります。
もし、あなたの近くに人気者が現れたら、賛成派と反対派のどっちになればいいのか?それはあなたの本心に従うことです。我慢はよくありません。別に気にしない、という人もいますよね。そういう人はいいでしょう。
・ここで終わらないで〜!
出ました、消化不良。「ここからじゃん!」というところで終わってしまうのが残念。もうちょっと光瑠たちを見ていたかったです。でも、しょうがないですね。
途中のワクワク・ハラハラは十分に楽しめました。
この読後感は『パラレルワールド・ラブストーリー』でも感じましたね。「ここからじゃん!」というシリーズ(笑)
これです↓