【読了記録】燃えよ剣 下/司馬遼太郎(ブレない男、マジ尊敬。)
どうも、さっさです。
今回は司馬遼太郎の小説「燃えよ剣 下」読了記録。
生き様がブレない土方歳三。尊敬します。
「燃えよ剣 上」の読了記録はこちら
あらすじ
元治元年六月の池田屋事件以来、京都に血の雨が降るところ、必ず土方歳三の振るう大業物和泉守兼定があった。新選組のもっとも得意な日々であった。やがて鳥羽伏見の戦いが始まり、薩長の大砲に白刃でいどんだ新選組は無残に破れ、朝敵となって江戸へ逃げのびる。しかし、剣に憑かれた歳三は、剣に導かれるように会津若松へ、函館五稜郭へと戊辰の戦場を血で染めてゆく。
「BOOK」データベースより
薩長の倒幕派が加入した新政府軍が京都に攻めてきます。
旧幕府軍といった位置付けの新選組は、鳥羽・伏見の戦いに始まり、江戸、東北、函館と敗走を重ねて、ついには降伏して明治新政府ができます。
途中で近藤勇や沖田総司を失いますが、土方歳三は最後まで自分の流儀を貫きます。
最後まで戦って死ぬ。
近藤の亡き後、今度は榎本武揚に仕え、北海道に新しい政府を作るという野望に最後まで付き合いました。
感想
・ブレない男、土方歳三へのリスペクトが止まらない。
函館の五稜郭で、いよいよ官軍に負けそうだという時、軍議の場で歳三は籠城か打って出るかなどどうでもいいという感じでした。
どちらにしろ負ける。であれば、どうやって死ぬか。
こういうことを考えていました。
近藤と沖田が死んでからの歳三は、単に毎日を生きているだけでした。
そんな一見むなしいと思える日々ですが、幕府のためにと立ち上げた新選組で最後まで幕府のために戦って死ぬ。そう決めていたのです。
それまでにも隊員・藤堂平助の寝返り、かつて抱いた女・佐絵の裏切り、また歳三が伊東甲子太郎という新しい新選組幹部に命を狙われたりもします。
ただ、どうなろうとブレない。ただ戦って死ぬだけ。その時にできることをするだけ。
過去の後悔や未来への不安など一切なく、常に今、ここに生きていました。
また、歳三は副長格が合っていると思っていて、自分の立ち位置がよく分かっていました。
近藤勇に続いて榎本武揚に従いますが、自分がでしゃばるようなことはせずに、どうしたら自軍が勝てるのかをずっと考えていました。
榎本武揚も歳三のことを信頼していて、自身は海軍を指揮して、陸軍は歳三に任せていました。
・最後まで明るかった男、沖田総司。
「るろうに剣心」では天剣の宗次郎のモデルになった人物。
いつまでも明るくニッコリしていたのが印象的。
ただ、歳三は総司がイヤな咳をしているのが気になっていました。
やがて25歳の若さでこの世を去ります。
新選組で歳三と行動をともにしていた時も、ひと月の半分は寝込むようになっても、死に際でも明るく冗談を言っていました。
自分が長くは生きられないと分かっていて、最後まで明るく振る舞おうと決めていたかのようにも思えます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「燃えよ剣 下」の読了記録でした。
最後まで剣に生きた土方歳三。
そのブレない生き様はとても印象的でした。
「生き方を決めている」
「自分の立ち位置が分かっている」
こうした歳三の信条は、現代でも役立ちます。
塾での中3生にも当てはまります。
目標とする成績、高校が決まっている人や、自分の特徴がよく分かっている人は、成績が伸びやすい傾向があります。
この作品には他にも、
・歳三が西洋式の戦闘を学ぶところ。
・第15代将軍徳川慶喜の大政奉還後の動向。
・板垣退助が指揮する新政府軍と旧幕府軍の甲府での攻防。乾退助が「板垣」と名字を変えたのがこのタイミング。その経緯。
・岩手県宮古湾での戦闘。おそらくここが最も激しい戦闘シーンになります。
といったことが書かれています。
気になる人は、ぜひ読んでほしいです。
それでは、また。