エッセー

【エッセー】自分の力が及ぶものと及ばないものを考える。

abstract blackboard bulb chalk
さっさ

20代の頃は、自分の力が及ばないものに悩みや不安がありました。そればかりに支配されていたと言ってもいいです。

例えば分からず屋の上司、動きが鈍い部下、変わらない組織、変なお客さん。僕の場合はこんな感じ。

自分の思いが伝わらない。分かってもらえない。こんな状況をずっと嘆いていました。

でも途中で気がつきました。

自分の力が及ばないものをあれこれ考えても仕方がない。時間の無駄だ。

ブツブツ言う上司は、どんな場面でもブツブツ言います。自分の力で変えることはできません。僕の場合は「これも経験だ」と自分に言い聞かせて、耐えていました。でも今は後悔しています。すぐに離れる努力をするべきでした。

動きが鈍い部下は、こっちがつべこべ言っても何も変わりません。上司たちの間では「部下育成」なんて話題になりますが、時間の無駄だと思います。

かつては出世して組織を変えてやる、と野望を持っていました。でも結局トップまで昇り詰めても、しがらみがたくさんあって、それまでやってきたことを踏襲するしかないことが分かりました。大きな枠組みの中で、いかに力を発揮できるか。そこに力を注ぐことが正解です。

変なお客さんもいます。かつては言うことを聞かない生徒、何かとブツブツ言う保護者に振り回されてきました。今はある程度自由が効くようになりました。入会前に体験してもらって、僕との相性を見ます。僕とうまくコミュニケーションができない子は、入会をお断りしています。保護者が言うブツブツも、対応のコツが分かってきました。「お母さん」というのは、必ずしも解決を求めているわけではありません。話を聞くだけでスッキリしてもらえることが大半です。以前は返事として解決策を必ず提案するものだ、と思っていてこれがなかなかのストレスでした。ちょっと何かしたくらいじゃ、成績は上がらないからです。

ニュースへの思考も無駄。

「ニュースを見て世の中の流れをつかみましょう」なんて、誰が言い出したんですかね?

どこかの事故や事件、遠いところのオススメ飲食店の情報、芸能人のスキャンダル、スポーツの話題。これらってどうでもよくないですか?昔はサッカーが好きで、日本代表や外国のクラブチームのことは追いかけて興奮していました。でももう必要ありません。ニュースを見たことで元気がもらえたり、何か参考になったりしたことがないことに途中で気がついて、僕は見るのをやめました。10年とっていた日経新聞もやめましたし、スマホからYahooのアプリも消しました。

新聞もテレビもネットも広告や宣伝が多いです。新番組、新作映画、新商品をうまく刷り込まれていることに気がついて、見るのがますますアホらしくなりました。

そもそも1週間前のニュースをどれだけ覚えていますか?樺沢紫苑の本によると、わずか3%だそうです。100のニュースがあったら、97を忘れるのです。これはもう、僕には見る意味がありません。

政治への思考も意味がありません。

選挙のたびに政治のことが話題になりますが、自分の力が及んでいる感じが全くしません。だから僕は結果だけ見ます。政治について討論している番組は一切見ません。アメリカや北朝鮮など外交関係も状況がある程度分かっていたら、それ以上の情報も思考も必要ありません。どうせ自分の力は及びませんから。

自分の力が及ぶことだけ考えよう。

自分の見た目は、自分で整えることができます。髪型や服装、体型の管理。自分次第で印象をコントロールできます。髪型は、顔や頭の形が似ている有名人を調べて、似たようにするのが無難。服装はユニクロで十分です。ブランド物の服は長持ちしません。仕事の場合でも、仮に僕がアルマーニのスーツを着ても、子供には権威性が一切伝わらないので、着る必要がありません。体型の管理も気にした方がいいです。太りすぎも痩せすぎも、印象が良くありません。

会話の仕方も自分次第です。話し方を学ぶことはできます。僕の場合はいろいろ研究した結果、塾の授業では踊る御殿の明石家さんま、会話ではハライチの澤部、水曜どうでしょうの大泉洋のイメージがしっくりきます。

物事の受け入れ方も自分次第。

・雨が降っている
・コロナが蔓延している
・給料や出世について

例えばこういったことにどう考えるか。僕がたどり着いた正解は「いちいち判断しない」ということ。

特に男性の場合、なんでも白黒つけたがる傾向があります。でも世の中グレーなことはたくさんあります。ありかなしか、いいか悪いかを何でもかんでも決めなくてもいいのです。

雨?どうせ自分には止めることができないので、何も考えずに傘をさすだけです。

コロナ?どうせ自分には止めることができないので、何も考えずにマスクをするだけです。

給料や出世?どうせこっちでは決められないので、何も考えずに働くだけです。給料アップは求めたらキリがありません。衣食住がある程度整っていたら、他のことは贅沢だと思うことです。稼ぐよりも出ていくお金を調節する方が早いし、幸福になれます。

今回はここまで。何か生きるヒントになれば幸いです。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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