三体Ⅲ(上・下)/劉慈欣(ついに終焉を迎える異星人との戦争。)
どうも、さっさです。
今回は劉慈欣の小説「三体Ⅲ」の読了記録。
長かった〜。
大まかな話の内容
地球文明と三体文明の戦いにいよいよ決着がつきます。異星人との戦いと同時に地球文明の中でも小競り合いが続きます。物語の主要人物たちは冬眠技術を駆使して、未来へと生き続けます。
地球の運命は?
三体人とどう決着がつくのか?
主要人物たちの行く末とは?
こういったところがこの作品の見どころです。
印象に残ったところ
・壮大なお話
自然は本当に自然なのだろうか?
本書上より
ヤン・ドンが管制センターのスーパーコンピュータで、地球の歴史をシミュレーションをした時の一言。生物が地球に登場しなければ、海も川もなく、地表は乾いたままでした。もし生命がなければ、地球の大気組成は今と違っていたでしょう(金星と同じような感じだったかも)し、紫外線や太陽風をうまく遮蔽できなくて、海ができても蒸発してカラカラになっていたでしょう。
「だから、いまの地球は、生命がつくりだした故郷なんだ。神とはなんの関係もない」研究員はシミュレーションの結果、こう口にしたのです。
生命が誕生した時点で、地球本来の自然環境では無くなったかもしれません。本当の意味での「自然」とは一体何なのか。考えさせられます。
・好きな女性に星をプレゼント。
雲天明(ユン・ティエミン)は好意を抱いている程心(チェン・シン)という女性に、太陽系から286.5光年離れたところにある星をプレゼントします。
現在の技術では決していくことはできない遠いところですが、地球からでも目をこらせば夜空の中に見つけることができます。ロマンティックな話です。
・脳だけを三体世界に送る。
地球から三体世界に交渉役を送らなければならないのですが、当時の技術ではどう頑張って宇宙船を軽くしても、三体文明による太陽系到着後になってしまいます。そこで、脳だけ送ることにすれば、極限まで宇宙船を軽くできる、という話になります。うん、SF。面白い。
・地球人の中でも小競り合い。何やってんだか。
地球人の中でも「三体文明と共存する派」と「三体文明を破滅させる派」、さらに「地球を脱出して避難する派」に別れて小競り合いが続きます。
地球だけの話なら、国家間の大きな争いとなりますが、地球外生命体との紛争時には、小さく見えてしまいます。「この緊急時に一体何をやってんだか」と呆れてしまいます。でもこれが人間ですよね。仕方がないことかもしれません。
また、作中では三体世界からの命令によって、人類の多くがオーストラリアに移住する場面があります。その時には国家も人種も関係ないはずですが、ここでも小競り合いがあります。
まとめ
いかがでしたか?
技術レベルが遥かに高い地球外生命体との争い。
地球人の間での小競り合い。
冬眠技術の実用化で見られる地球の未来。
こういったところが味わえる超大作です。
最初は中国人の名前の読み方に戸惑いました。しかし、翻訳を担当した大森さん曰く「好きに読んでください」ということでしたので、好きに読めばいいと思います(笑)
今後は映像化が決定しています。「ゲームオブスローンズ」並み、いやそれ以上にお金がかかる超大作になること間違いなしです。楽しみに待ちたいと思います。
それでは、また。