「三体Ⅱ下 黒暗森林」[劉慈欣]あらすじと見どころ(今のところ勝てる気がしない)
どうも、さっさです。
今回は劉慈欣のSF小説「三体Ⅱ下 黒暗森林」
2020年の作品。オリジナルの中国版は2008年に刊行。
三体(地球往事)三部作の第二部。「三体」の続編にあたり、最終作の「三体Ⅲ 死神永生」に繋がっていきます。
あらすじ
三体世界の巨大艦隊は、刻一刻と太陽系に迫りつつあった。
地球文明をはるかに超える技術力を持つ侵略者に対抗する最後の希望は、四人の面壁者(ウォールフェイサー)。
人類を救うための秘策は、智子(ソフォン)にも覗き見ることができない、彼らの頭の中だけにある。
面壁者の中でただひとり無名の男、羅輯(ルオ・ジー)が考え出した起死回生の“呪文”とは。
二百年後、人工冬眠から蘇生した羅輯は、かつて自分の警護を担当していた史強(シー・チアン)と再会し、激変した未来社会に驚嘆する。
二千隻余から成る太陽系艦隊に、いよいよ出撃の時が近づいていた。
一方、かつて宇宙軍創設に関わった章北海(ジャン・ベイハイ)も、同じく人工冬眠から目醒め、ある決意を胸に、最新鋭の宇宙戦艦に乗り組むが……。
アジアで初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた現代中国最大のヒット作『三体』待望の第二部、衝撃の終幕!
本書より
見どころ
・三体人の圧倒的な技術力に、人類はどうやって立ち向かうのか。
三体人が送り込んだ原子よりも小さなコンピュータ智子。智子により人類はあらゆる通信や会話が傍受され、基礎物理学の発展すら妨害されています。
しかし、三体人にも弱点が。彼らは思考を他者に隠すことができません。つまり、三体人は嘘をついたり、騙したりということができないのです。
そこで人類は面壁計画を実行。地球で選ばれた4人の頭の中だけで、三体人に対抗する策を練ってもらうことにしたのです。誰にも告げずに実行すれば、三体人の裏をかけるのではないか、ということなのです。
・面壁者(ウォールフェイサー)を邪魔する破壁人(ウォールブレイカー)!
選ばれた4人は、国連から予算が与えられて、独自の計画を実行しようとします。一方で、地球三体協会という三体派の団体が存在します。彼らは面壁者の計画を無効化させるべく、破壁人(ウォールブレイカー)としての活動を開始。
「面壁者○○、わたしはあなたの破壁人です」
この決め台詞とともに現れる、面壁者の死刑執行人が破壁人なのです。
・冬眠技術で200年後の世界を体感!
面壁者の1人であるルオ・ジーは、冬眠をして200年後に目覚めます。より発達した文明を持って、三体人に対抗しようというのです。この世界が面白い。
建物の壁にはさまざまな広告が映りますが、その全てが見る人によって違う内容。広告が完全にパーソナライズされた世界なのです。
食べているパンは工場で合成されたもの。穀物は合成して作られるものになっています。
パッと見は傘、実は自転車。質量保存の法則(物質は状態変化しても重さは一緒という法則。例えば1トンの軽自動車がボールくらい小さくなっても重さは1トン。)がどうなっているのか不思議ですが、自転車が傘みたいになって、持ち運ぶ場面があります。
名物キャラクター史強の白血病が完治。