フェイク・マッスル/日野瑛太郎
どうも、さっさです。
日野瑛太郎の小説『フェイク・マッスル』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
いつも行っている本屋にポスターが貼ってあって、乱歩賞の決定を知りました。
あらすじと選考委員のコメントを見ていると、面白そう。即買いして帰りました。
あらすじと感想
たった3ヵ月のトレーニング期間で、人気アイドル大峰颯太がボディービル大会の上位入賞を果たした。SNS上では「そんな短期間であの筋肉ができるわけがない、あれは偽りの筋肉だ」と、ドーピングを指摘する声が持ち上がり、炎上状態となってしまう。当の大峰は疑惑を完全否定し、騒動を嘲笑うかのように、「会いに行けるパーソナルジム」を六本木にオープンさせるのだった。
文芸編集者を志しながら、『週刊鶏鳴』に配属された新人記者・松村健太郎は、この疑惑についての潜入取材を命じられ、ジムへ入会する。馬場智則というベテラン会員の助力を得て、大峰のパーソナルトレーニングを受講できるまでに成長。ついに得た大峰との一対一のトレーニングの場で、ドーピングを認める発言を引き出そうとするが、のらりくらりと躱されてしまう。あの筋肉は本物か偽物か。松村は、ある大胆な方法で大峰をドーピング検査にかけることを考え付くのだが――?
フェイクが氾濫する時代の、「真実の物語」が始まった。Amazon商品ページより
アイドルがたった3ヶ月でムキムキになったのは、ドーピングによるものかどうか。
この謎1つで十分最後まで読めます。やっぱりこういうシンプルなものがいい。乱歩賞はまだ数冊しか読んでいませんが、個人的に乱歩賞史上1位です。
作者の日野さんにとっては4回目の最終選考に残った作品ということです。テンポがよくスピード感を持って読むことができました。実際に2時間くらいで読めました。
テンポよく読むことができましたが、東野圭吾氏はコメントで「何もかもがスムーズに進みすぎるところは物足りない」としていました。言われれば確かにそうかも。
ジムへの潜入捜査で体つきが良くなる新人記者の松村の奮闘も、見ていて面白い。
筋トレをしていく中での体の知識も興味深い。アルコールは筋肉を分解してしまうらしい。
…酒、大好きなんだけどな。妻に足が細くなったと言われたのは酒が原因かも。どうしよ。
また、この作品は映像化しやすく、映画ならある程度の興行収入が見込めるでしょうからぜひやってほしいですね。
難点があるとすれば、大峰役が実際にムキムキでなければならないのと、ムキムキになる前の状態の映像が必要ということですね。
「あしたのジョー」で山下智久が体を絞っていたのを思い出しますが、ああいうことができる20代の男性アイドルがいります。
そこさえクリアできれば、名作映画が作れるはずです。
ストーリーがシンプルでいい。映画でいうと「タイタニック」とか「スピード」とか「アルマゲドン」のような。
この小説を知って興味がわいたら、即買いしても損無しです。
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