米澤穂信

【読了記録】可燃物/米澤穂信

さっさ

どうも、さっさです。
米澤穂信の小説『可燃物』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。

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読んだきっかけ

このミス2024年版国内編第1位ということで。

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「このミス」はここ数年、毎年チェックしています。

1位の作品をはじめ、普段はなかなかチェックすらできない海外編のランキングがあるのが面白い。

でも1位と言えども、正直あらすじを見てピンとこないものもあります。

『可燃物』は正解でしたね。面白い。

米澤穂信といえば、『黒牢城』を読みましたね。

このミス2022年版第1位で、第166回直木賞。

戦国ミステリーで面白かった。

あらすじと感想

米澤穂信、初の警察ミステリ!

二度のミステリーランキング3冠(『満願』『王とサーカス』)と、『黒牢城』では史上初のミステリーランキング4冠を達成した米澤穂信さんが、ついに警察を舞台にした本格ミステリに乗り出しました。

余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。

群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の回りの雪は踏み荒らされていず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って“刺殺”したのか?(「崖の下」)

榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」)

太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」)

連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。

Amazon商品ページより

群馬県警の葛(かつら)警部を中心とした5つの事件の短編集。

どれも印象的でしたが、あえて1つお気に入りを挙げるとしたら「崖の下」。

衝撃の凶器でした。ミステリー小説は色々読んでいますが、こんなものは初めてでしたね。

読んでいると犯人の執念が伝わって、ゾワゾワしました。

あと4つの事件も、加害者のやむをえない事情と、それをしっかり見抜く葛の様子が印象的でした。

葛の雰囲気は「教場」シリーズの風間(ドラマではキムタク)と少し似ています。

でも、風間は冷酷さが強めなのに対して、葛はもう少し人間味があって好感が持てます。

部下からの報告を無表情で聞いたり、事件の真相解明に向けてのアプローチがまるで機械のように見えたりします。この辺りは風間とそっくり。

ただ事件の捜査があって3日で4時間しか寝ていないとか、食事は菓子パンとカフェオレだけとかいう描写が、葛も人間なんだと思わせます。

「菓子パンとカフェオレ」というくだりは何回か出てきて、ちょっと笑ってしまいました。そんな食生活してたら身がもたんぞ、と。

証拠があって犯人が自供もしているのに、本当に逮捕してもいいのか、と葛が悩む場面がこの小説の特徴。

この辺りは松本清張の小説に近いものがあります。現時点の疑問や他の解決方法の可能性を考えたりするところですね。

松本清張のは長くて飛ばし読みしたくなることがありますが、『可燃物』は1字1句しっかり読めます。量がちょうどいい。

5つの事件全てで、葛が意外な真相にたどり着きます。

ミステリー好きな人は、できたら途中で真相が分かるように考えながら読みたいところ。

まあ、僕は1つとも分かりませんでした。

いや、「崖の下」は本当にすごい凶器ですよ。

あ〜、既読者と盛り上がりたい。

まとめ

いかがでしたか?

今回は米澤穂信の小説『可燃物』の読了記録でした。

さすがこのミス第1位なだけありました。大満足です。

他にも何冊か挑戦してみようかな。

それでは、また。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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