【読了記録】黒い家/貴志祐介(恐怖と悪夢)
どうも、さっさです。
貴志祐介の小説『黒い家』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
直木賞候補作を3冊読んでから読書熱が冷めていた(ちなみに直木賞は読んでいない2冊が受賞。もうええわ)ところ、
「ホラーなら読みたいかも」
という直感がありました。
早速Amazonで検索したところ、『黒い家』にたどり着きました。
貴志祐介の小説は初めて。楽しみです。
この小説はKindle版で買いました。
読書端末はKindle Oasisを使っています。
あらすじと感想
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに…。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞大賞受賞作。
「BOOK」データベースより
久しぶりにゾワゾワっとした怖さがありました。
ホラー小説といえば、直近では五十嵐貴久の『リカ』シリーズ、鈴木光司の『リング』シリーズを読みました。
『黒い家』はどちらかというと『リカ』的な恐怖がありますね。
幽霊、心霊ではなく、イカれた殺人鬼による恐怖。
何人も亡くなっているのに、なぜか警察が犯人にたどりつかないのも『リカ』と似ています(笑)。
今作では、生命保険に関する知識も得られます。
保険業界で働いている人には「あるある!」となるでしょうし、そうでない人にも「なるほど」というところがあります。
生命保険の契約は、ほとんどがしつこい勧誘や泣き落としによるものだそうです。
しかも多くの社員が、親戚や知り合いで10件程度の契約が関の山。そこまで契約を終えて辞めていくとか。
そりゃそうですよね。あればいいかなレベルで毎月何万円も払い続けるのはアホらしいですからね。親戚でも知り合いでもなければ契約しません。
会社側もきっと分かって雇っているところありますよね。「親戚と知り合いを勧誘させて、あとはどれくらい持つかな」なんて。
支社長クラスが集まる会議で、ノルマ必達のきつい煽りがあるシーンもあります。
まあ、不要なものを無理やり売らなければならないストレスがあるのは、どの業界でも同じですね。
以前いた学習塾で、幹部にその傾向が強くなってきたのが嫌で、僕は辞めました。
ある程度の規模の会社になってしまうと、純粋にお客さんと向き合えなくなってしまうものなのでしょうか。
オススメ度でいえば、『黒い家』はかなりのもの。
ホラー小説のくくりでは、間違いなく星5つ。
恐ろしいし、保険業界のことが分かるというのは、他の小説にはない魅力です。
ただ、前半はキャラの把握とか、保険のアレコレで、なかなか進まない印象があります。
でも恐怖の正体が分かった中盤以降は、読む手が止まらなくなります。
終盤はもう『リカ』と同じ(汗)。
イカれた人との対決で手に汗握りますよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回は貴志祐介の小説『黒い家』の読了記録でした。
これまでの読書スランプが、まるで嘘のようにサクサク読めました。
やっぱり面白いものは面白い。
いつかこのサイト内で「小説ジャンル別さっさ的ベスト10」なんてやることがあったら、ホラー部門で間違いなくランクインします。
そういえば『リカ』シリーズの新作をまだ読んでいませんでした。
次はそれにしようかな。
それでは、また。