【読書記録】凍える牙/乃南アサ(女性刑事vs野獣)
どうも、さっさです。
乃南アサの小説『凍える牙』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
読んだきっかけ
夕方のBSドラマで「鎖」を見ました。小池栄子と高橋克実がいい感じで面白かった。
どれどれ原作小説を読もうと思ったら、これって「女刑事・音道貴子シリーズ」の2作目なんですね。
じゃあ1作目からちゃんと読もうと思って、この小説にたどり着きました。
『凍える牙』って1996(平成8)年の直木賞受賞作なんですね。知りませんでした。
当時中2か。宮部みゆきの『火車』に感銘を受けていた頃ですね。懐かしい。
あらすじと感想
深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した! 遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか? 野獣との対決の時が次第に近づいていた――。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。
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ウルフドッグという大型犬が人を殺して回ります。
え、誰のどこの犬?
なんで人が突然燃え上がるの?
と、この2つの謎だけで最後まで十分引っ張れる話。
そこにさらに女性刑事ならではの苦悩(女性蔑視やセクハラ)も織り混ざって、唯一無二の小説になっています。
刑事小説はいくつも読んでいますが、女性作家が描く女性刑事は珍しい。
音道の「ちくしょー」という心情が多く描かれているのが特徴なんですよね。音道と同じように美人でやり手の姫川玲子とは、描かれ方がまた違うんですよ。面白い。
話はそれますけど、塾の入会の問い合わせって、日曜日とか夜10時以降にもあるんです。それって、子供のことで悩んでいるお母さんが手の空いたタイミングで改めて悩んで、スマホで塾のサイトを見て回っているからだと思うんですよね。女性の内面というのは、男性に比べて色んなものがあるのでしょうか。この小説を読んでいてそんなことを思いました。
僕は先にドラマを見たので、もう音道は小池栄子だし、滝沢は高橋克実にしか思えません。ピッタリのキャスティングです。
バイク好きな人にはさらにオススメですね。CB400とかXJR1200を音道は乗り回しています。
また、音道も滝沢も家庭内に問題を抱えていて、その描写も印象的。音道は離婚したばかりで、妹の男問題に振り回されます。滝沢は妻に出て行かれていて、その件で息子に殴られて顔面を腫らして現場にいます。
色んな要素が詰まった中で、大型犬が人を噛み殺して回っているという状況。本当に唯一無二の小説です。
勉強にもなりました。なんで刑事のことを「デカ」って言うか知っていますか?
昔の刑事が和服の角袖を着ていたことから「かくそで」の反転省略後として「デカ」と言う言葉が生まれたのだそうです。へぇー、そうなんだ。態度がデカいからじゃないんですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は乃南アサの小説『凍える牙』の読書記録でした。
直木賞をい受賞するだけありますね。他のノミネート作品は知りませんが、納得の小説です。
96年、僕が中2当時に読んでも面白いと思えるイメージがありますね。
未読で気になった人、読んでみて損はしないですよ。
それでは、また。
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