乃南アサ

【読書記録】鎖/乃南アサ(音道貴子、第2作)

さっさ

どうも、さっさです。
乃南アサの小説『鎖』を読みました。
ネタバレ無しの読書記録です。

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読んだきっかけ

2024年2月26日にBSテレ東で放送されたドラマ「乃南アササスペンス 鎖 女刑事 音道貴子」を見て、原作小説を買いました。

「夕方ミステリー」という平日15時54分からのドラマ枠のもの。

僕には最新のドラマよりも夕方ミステリーで放送されているような少し前のドラマが合っているし、好きです。

ここから気になったドラマの原作小説を読む、ということをしています。

小説の人気があって映像化されているわけですから、闇雲に小説を探すよりも名作に出会う可能性が高いと思っています。

直木賞や本屋大賞やこのミスなどの賞レースが無い時には、絶好の読書ルーティンです。

この小説は調べたら音道貴子シリーズの2作目。

1作目の『凍える牙』は直木賞を受賞しており、読まないわけにはいかなくて、これも読みました。

読んでおいてよかったですよ。

あらすじと感想

東京都下、武蔵村山市で占い師夫婦と信者が惨殺された。音道貴子は警視庁の星野とコンビを組み、捜査にあたる。ところが、この星野はエリート意識の強い、鼻持ちならぬ刑事で、貴子と常に衝突。とうとう二人は別々で捜査する険悪な事態に。占い師には架空名義で多額の預金をしていた疑いが浮上、貴子は銀行関係者を調べ始めた。が、ある退職者の家で意識を失い、何者かに連れ去られる!

貴子が目を覚ますと、廃屋に監禁され、鎖で手足を縛られていた。一方、行方不明の貴子を救出するため特殊班が編成され、かつて彼女と組んだ滝沢刑事も加わる。やがて犯人らの巧妙な現金奪取計画が明らかになり、貴子も犯人の中の女性を説得し、懸命に本部との連絡を試みる。が、特殊班はなかなか潜伏先に辿り着けない。ついに貴子の気力・体力も限界に――

Amazon商品ページより

文庫本だと上下に分かれています。上巻の終盤で音道が連れ去られ、下巻は監禁から脱出までが描かれます。

ちなみにドラマでは小池栄子が音道貴子を演じています。スタイルがいいわ、強気な美人という雰囲気が音道のキャラに合っているわで、抜群です。

個人的に女刑事としては「ストロベリーナイト」で竹内結子が演じた姫川玲子も抜群で、小池栄子もいい勝負をしています。甲乙つけがたい。

ドラマでは音道はバツイチの設定。小説ではさらに昂一という彼氏がいて、もう何週間も会えていないものの、電話でいちゃつく場面があります。

前作『凍える牙』を読んでおいてよかったと思うのは、音道のかつての相方・滝沢の存在があること。ドラマでは高橋克実が演じています。

言葉が荒く、音道が女だからか厳しく接していました。そんな前作の流れが、今作では生きています。

滝沢は妻に逃げられていて、高校生の娘と暮らしています。

「危ないこと、しないでね」

音道の監禁事件というタフな状況の中、父親のことを心配する娘。温かいものが流れます。

ただ、今回はドラマを先に見てからの小説。当然ドラマよりも詳しい描写があるわけですが、今作ではそれが多少冗長に感じられます。

これは女性作家特有のものと思っていますが、登場人物の女性の内面の描写がやや長い。

不安や葛藤が何文字も何ページも描かれます。

僕みたいな男性読者からすると、もう少し削ってもいい。この感覚は確かな男女差だと思っています。女性読者には大ウケだと思いますけどね。

女性読者は女性の不幸が好きで目が離せないものと思っています。「おしん」なんか特にそうですよね。

また今作では音道の他にも不幸な女性・中田加恵子が登場します。

3歳の時に連れ去られてそのまま他人夫婦の子として育てられた経緯がある人物。彼女の内面の深堀りも長く感じられます。でもこれも女性読者には魅力に感じられるものなのでしょう。

この2人の女性の内面の描写がもう少し削られていれば、この小説は文庫本でも1冊に収まったと思います。まあ、でも女性読者を引きつけるためには必要な描写だったと思います。

まとめ

いかがでしたか?

今回は乃南アサの小説『鎖』の読書記録でした。

事件に恋愛に親子愛。

内容が盛りだくさんで、しかもどれも見逃せない小説でした。

このシリーズは全部読みたくなります。

ただ、音道貴子の内面の描写はあんまりいらないんだよなー。ぐちぐち、ぶつぶつ言ってるだけだから。でも女性心理の勉強だと思って読めばいっか。

それでは、また。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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