【読了記録】プロジェクト・ヘイル・メアリー上下/アンディ・ウィアー(胸アツ宇宙SF。『三体』の次はこれだ!)
どうも、さっさです。
アンディ・ウィアーの小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2021年12月16日
読了 2022年5月
読んだきっかけ
元々、宇宙SFは好きです。
最近は『三体』、『星を継ぐもの』に始まる巨人シリーズを読んできました。
Amazonで小説の売れ筋ランキングをチェックしてみると、1位『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。
既に映画化が決定しているそうです。
おお、どれどれ。
一緒に人類の危機を救おうではないか、と即ポチしました。
あらすじ
大ヒット映画「オデッセイ」のアンディ・ウィアー最新作。映画化決定!未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある世界。謎を解くべく宇宙へ飛び立った男は、ただ一人人類を救うミッションに挑む! 『火星の人』で火星でのサバイバルを描いたウィアーが、地球滅亡の危機を描く極限のエンターテインメント
「BOOK」データベースより
映画「オデッセイ」も『火星の人』も知らなかったのですが、このアンディー・ウィアーという人、かなりバズっているようです。この人の最新作というだけで、SF関連メディアは忙しくなります。
物語は、主人公のライランド・グレースが宇宙船の中で目覚めるところから始まります。
グレースは記憶が無くなっていて、自分がなぜここにいるのかを思い出せません。
読み進めると、今度は場面が地球に変わります。
宇宙船の現在のパート、地球の過去パートという感じで、交互にやってきます。
そして、なぜグレースが宇宙船にいて、何をしようとしているのかが少しずつ明らかになっていきます。
太陽に異常が発生しています。
それは後に「アストロファージ」と名付けられる微生物が、金星付近で太陽の熱を吸い取って生きているためだったのです。それで太陽の温度が下がっているのです。
「だから何なの?」って一瞬思いますよね。
実はこれが大事件。
地球の温度は10〜15度下がり、異常気象や食物連鎖の崩壊、あらゆる生物の絶滅が起こりうるのです。
1度上がるだけでも、やれ海水面の上昇だの異常気象だのと騒がれています。10〜15度というのは、地球の営みが大きく変化してしまうことなのです。
他人事ではありません。絶滅する可能性があるのは、人間も同じ。
ある科学者は、「今後19年で人類の半数、約35億人が死滅する可能性がある」と言います。
グレースは、アストロファージの謎を解明し、人類を救うために宇宙船で地球を飛び立ったのです。
ちなみに英語のヘイル・メアリー。
アメリカンフットボールの試合終盤に、劣勢のチームが一発逆転を狙って投げる神頼みのパスを「ヘイル・メアリー・パス」と呼びます。つまり、プロジェクト・ヘイル・メアリーというのは「イチかバチかの計画」という意味なのです。
下巻に入ると、異星人の相棒との問題解決パートという感じになります。
この異星人、ロッキーとグレースのやり取りでだいぶ楽しめます。
アンディ・ウィアーの前作『火星の人』でも思いましたが、主人公がどんなにピンチになっても、それを笑い飛ばしながら前に進んでいく感じが面白い。
下巻では技術的な話が多いので、ちょっと退屈な印象も。
でも、そういうところは無理をせずにサーッと読み流せばいいと思います。
一字一句しっかり読んでも、どうせ忘れますから(笑)。
読書はそんな気負ってするもんじゃない。
なんとか解決策を見つけた2人。
その後の結末が印象的。
ただ単にグレースが地球に帰還してめでたしめでたし、ということにはなりません。
これは読んでからのお楽しみですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回はアンディ・ウィアーの小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の読了記録でした。
いやあ、これは個人的SF小説ランキング1位ですね。
なんといっても始まりがいい。記憶を失っている中でのミッション。過去を少しずつ思い出していく流れは、めちゃくちゃ感情移入しやすいです。
同じSFなら『三体』も面白かったですが、中国人の名前が把握しづらいのと、伏線それぞれが長めなのが少しマイナス。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の方がシンプルで痛快な印象です。
気になったらぜひ読んでみてください。
それでは、また。
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