【読了記録】火星の人/アンディ・ウィアー(史上初の火星サバイバル!)
どうも、さっさです。
アンディ・ウィアーの小説『火星の人』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2015年12月15日
読了 2022年6月28日
映画化 2015年「オデッセイ」
読んだきっかけ
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んで面白かったので、アンディ・ウィアーの他の小説も読もうと思いました。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の読了記録はこちらから↓
あらすじと感想
有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の惑星に一人残された彼は限られた食料・物資、自らの技術・知識を駆使して生き延びていく。映画「オデッセイ」原作。
Amazon商品ページより
マーク・ワトニー(映画ではマット・デイモン)は火星に取り残されてしまいます。
火星を後にしたクルーたちは、マークが死んだものと思っています。
マークは植物学者。
酸素や水の生産をして、食料はジャガイモで乗り切ろうとします。
じきに地球にもマーク生存の信号が届き、もう1度火星に行ってマークを救うプロジェクトが動き出します。
マークの生命力に感動。勇気がもらえます。
火星といえば、太陽からの距離が地球よりも遠く、極寒の地です。しかも1人。通信機器はクルーたちが乗る宇宙船に搭載されているので、通信もできません。水も酸素も食料も限られていて、絶望してしまってもおかしくない状況です。
こんな状況でも、マークは明るい。
植物学者としてできることを全力でやり、せっせと水やジャガイモを作って、「これであと○○日は生きられる」と、地球からの救いがあると信じて生きます。
尿も貴重な水分で、捨てずにとっておきます。
ジョークも交えながら、絶望的状況でも明るく過ごすところは、映画でマット・デイモンというキャスティングはピッタリですね。
通信できないことが、物語を面白くさせます。
携帯電話やインターネットが普及した1990年代。世界中の脚本家たちが「危機感を演出できなくなった」と嘆いたそうです。
どこにいても電話やメールができてしまうから、離れた家族や恋人とのすれ違いや、会えないもどかしさを描く場面が作りづらい、ということです。辛くないから、物語が面白くならないのです。
マークは火星にいて、地球との通信ができません。しかも火星にはマークしかいません。ずっと1人です。どの国にいるのかも分かりません。この危機的状況が物語を面白くします。
もしかしたら作者のアンディ・ウィアーは、狙って宇宙SFを書いているのかもしれません。
スマホもなく、地球ではないところで何らかのミッションをこなすということにして、他ではなかなか味わえない小説にする、という感じでしょうか。
まとめ
今回はアンディ・ウィアーの小説『火星の人』の読了記録でした。
ミステリー小説ばかり読んできたのですが、実はちょっと飽きています。犯人が誰だとか、動機や犯行方法がどうだとか、どうでもよくなってしまいました。まあ、じきにまたのめり込むでしょうから、いいんですけどね。回復を待ちます。
こういう時、僕の場合はSFか歴史小説の出番です。
日常ではありえない状況をSFで楽しみます。歴史小説では登場人物たちが、身分や財産などさまざまな制約の中、どんな決断、生き方をしてきたのかを学びます。
アンディ・ウィアーは『アルテミス』という作品が残っています。
SF熱が残っているうちに読みたいと思います。
それでは、また。