「medium霊媒探偵 城塚翡翠」[相沢沙呼](衝撃。全部伏線!)
どうも、さっさです。
今回は相沢沙呼の小説「medium霊媒探偵 城塚翡翠」ネタバレ無し。
読み始めたきっかけ
小説本レビューを書きたいと思い、「このミステリーがすごい!2020年版」から国内1位を選びました。
元々ミステリーは好きです。
あらすじ
推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、心に傷を負った女性、城塚翡翠と出逢う。
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彼女は霊媒であり、死者の言葉を伝えることができる。
しかし、そこに証拠能力はなく、香月は霊視と論理の力を組み合わせながら、事件に立ち向かわなくてはならない。
一方、巷では姿なき連続殺人鬼が人々を脅かしていた。
一切の証拠を残さない殺人鬼を追い詰めることができるとすれば、それは翡翠の力のみ。
だが、殺人鬼の魔手は密かに彼女へと迫っていた―。
★第20回本格ミステリ大賞受賞
★このミステリーがすごい! 1位
★本格ミステリ・ベスト10 1位
★SRの会ミステリベスト10 1位
★2019年ベストブックさらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補!
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いくら何でも賞を総なめし過ぎでは?と思ってしまいます。
でも読み始めると、どんどん引き込まれていきます。
著者について
【相沢沙呼(あいざわ・さこ)】
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1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2011年「原始人ランナウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作、2018年『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補作となる。
繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。
『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化(2020年公開)が発表されている。
本作で「このミステリーがすごい!」2020年版国内篇 第一位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング 第一位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリーの三冠を獲得した。
作家生活10年で「このミス1位」が取れたということです。
それまでは「青春小説」が主で、「ミステリー」は従という位置付けだったそうですが、この作品で初めて「ミステリー」に振り切ったそうです。
見どころ
推理作家の香月史郎(こうづき しろう) 、霊媒師の城塚翡翠(じょうづか ひすい)という組み合わせ。
理論的に犯人を探す推理作家と、犯人が見えるとか理論によらない霊媒師の組み合わせで事件を解決していくのが面白いですね。霊視できるなら推理いらんやん、という感じです。
「インタールード」という取り組み
「インタールード」の意味を調べたら「間奏曲」という意味なんですね。
確かに短く、本編とは違う筋のお話、という感じです。
これが後々つながってくるんですよね。
最後の急展開。
これは読んでのお楽しみ。
それぞれの章の概要 ネタバレ無し。
1 泣き女の殺人
香月の大学の後輩である倉持結花が殺された。
翡翠は霊視で、結花の遺体の近くに落ちていた水滴を見て「泣き女」とつぶやく。
泣いている女の霊。それに見つめられたものは、1年以内に必ず死ぬ。
指紋も無く、犯人が絞り込めないでいる中、翡翠は「自分の体に死者の霊を降ろす」ことを提案。
憑依の最中、翡翠自身は何も記憶できずに、ただただ辛いという感情だけが残る。しかも1度きり。
香月は、翡翠の体に降りた結花と話すことで、事件の真相に近付く。
非科学的なところが、まあ心地良い範囲で出てくる印象です。
インタールード Ⅰ
関東で若い女性ばかりを狙う連続殺人事件の一幕が描かれています。
この犯人、残虐です。一体誰なんだろう?
2 水鏡荘(みかがみそう)の殺人
作家の黒越篤(くろごし あつし)が殺される。
ミステリの賞のトロフィーが凶器で、殴られたようだ。
「犯人は、別所さんです」霊視であっさり分かってしまった翡翠。
時間軸は黒越が殺される前に戻り、話が進んでいく。
犯人と目される別所は、かわいい翡翠のことが気に入ったみたいで、しきりにアピールしている。
香月と翡翠はメッセージアプリで連絡先を交換(LINE的なもの?)距離が縮まる。
ふと香月が鏡を見ると、青い目をした白人の女がこちらを見つめていた…。
別所の匂いは、殺人者の匂いだと確信した翡翠。
しかし誤認逮捕が発生。粘る香月。
そして事件は真相へ。
霊媒ありきで、論理を後から考えるって、すごいですね。
インタールード Ⅱ
インタールードⅠの続き。
犯人は城塚翡翠にターゲットを定める。
3 女子高生連続殺人事件
3人の犠牲者の共通点とは?
香月と翡翠の距離感が縮まる回でもありますね。
恋愛関係になるようで、ならない。
むしろその距離感がちょうどいいという感じもします。
インタールード Ⅲ
犯人は、ついに城塚翡翠をとらえる。
4 vsエリミネーター
急展開の章です。
内容を書きたいのですが、ネタバレしてしまうので、書けません!
まとめ
さすが「このミス」1位の作品でした。
これはとにかくネタバレ厳禁で、黙って人に勧めるしかありません。
映像化が待ち遠しいです。「城塚翡翠」役をやる女優さんは間違いなく株が上がるでしょう。