【読書記録】正体/染井為人
どうも、さっさです。
小説『正体』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
読んだきっかけ
近所の本屋さんで、映像化された小説特集のコーナーを見ていたら、この小説にピンときました。
いったいどんな「正体」なのか。
ミステリー小説をいくつも読んでいる経験から、ひとつ当てて見せようではないか。
そんなことも思いました。
あらすじと感想
埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。様々な場所で潜伏生活を送りながら捜査の手を逃れ、必死に逃亡を続ける彼の目的は? その逃避行の日々とは? 映像化で話題沸騰の注目作!
Amazon商品ページより
脱獄した死刑囚・鏑木慶一。
顔を変え、名前を変えて全国を転々とする彼の目的とは。彼の「正体」とは。
僕は当てることができませんでした。
でも、当たらなくてよかった。こういう話でよかった。
終わりは切ないものがありますが、これでよかったんです。
潜伏先での鏑木の日常は、間違いなくいい人。勉強熱心だし、モテてるし、人の役に立っています。
でも、実は殺人犯。
この設定が、緊張感を持たせます。
鏑木は法律の勉強をしていたり、高齢者の施設で働いたりしています。このことから、何かやむを得ない事情があっての殺人であったのか、と。そんなふうに思いながら僕は読んでいました。
でも、そういうことではありませんでした。
もっと切なく、もっと理不尽。
過去に遡れば、実際にこういう事件があったのではないか。そんなふうにも思えてきます。
だとしたら、あまりにもやり切れない。
こんな切ない読後感はなかなかありません。
映画はまだ見ていませんし、これから見るつもりもありません。
小説だから、このモヤモヤ感は味わえるものと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は小説『正体』の読書記録でした。
作者の染井さんは1983年生まれ。おお、僕と近い。
年齢が近いのはいいですよね。文化とか発想が似ているはず。この小説も1文字も無駄なところがなく、面白かった。
他の小説も読んでみようかな。
それでは、また。
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