【読了記録】踏切の幽霊/高野和明(魔の深夜1時3分)
どうも、さっさです。
高野和明の小説『踏切の幽霊』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
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読んだきっかけ
直木賞候補というのと、高野和明の小説ということで。
直木賞の受賞作は正直予想ができない(過去には当てようとしたこともありますが全敗でした)ので、候補作の中で興味がわいたものを楽しむというスタンスで。
高野和明といえば『ジェノサイド』。あれは超絶面白かった。ホモ・サピエンスを越える新人類の登場で世界がどうなるか、という気になり過ぎる話だったんですよね。
そんな高野さんの新作、しかも直木賞候補となったら、読まないわけにはいけません。
ただ、この本の特徴的なところは電子版が無く、紙の本しかないこと。大人の事情ですかね。
直木賞候補作の発表後すぐに近所の本屋さんに行ったら、最後の1冊でした(発表直後過ぎて注文中だったのかな)。ついてました。
あらすじと感想
都会の片隅にある踏切で撮影された、一枚の心霊写真。
同じ踏切では、列車の非常停止が相次いでいた。
雑誌記者の松田は、読者からの投稿をもとに心霊ネタの取材に乗り出すが、
やがて彼の調査は幽霊事件にまつわる思わぬ真実に辿り着く。1994年冬、東京・下北沢で起こった怪異の全貌を描き、
Amazon商品ページより
読む者に慄くような感動をもたらす幽霊小説の決定版!
冒頭、特急列車の運転士目線の話からスタート。
あらすじにもある非常停止の場面が描かれます。
電車というのは燃費を良くするために、線路との摩擦が極限まで抑えられた設計になっており、線路の上に人影が見えてから急ブレーキをかけても間に合わないようになっています。
その後、雑誌記者の松田が調査を進めて、思わぬ真実にたどり着く流れです。
幽霊である若い女性は身元不明。一体どこの誰なのか、関連人物に当たってみてもなかなかはっきりしません。
そのうち松田の自宅へ電話がかかってくるようになります。深夜1時3分に女の呻き声が…誰なのか問いかけても返事がありません。
松田に襲いかかる霊的な現象。早く幽霊の正体を明らかにしないと、松田自身も危ない状況です。
松田は2年前に妻を病気で亡くしています。
物語が進むごとに松田は妻のことを思い出すのですが、このくだりも印象的でしたね。
いやあ読み終えてみると、幽霊は最後までしっかり幽霊でした。
夜に1人で読んではいけないレベルで怖いですよ。
『ジェノサイド』より面白いかと聞かれると微妙です。でも『ジェノサイド』とはジャンルが違いますし、これはこれでちゃんと面白いです。
刑事、出版社、新聞社、キャバクラ、ヤクザ、政治家の裏側がしっかり描かれているところも特徴的。
僕のような塾講師にはちゃんと非日常で面白い。小説の魅力ってこれですよね、非日常にいかにうまく連れて行ってくれるか。
まとめ
いかがでしたか?
今回は高野和明の小説『踏切の幽霊』の読了記録でした。
ネタバレを防ぐために大したことは書けなかったと思っているのですが、どうだったでしょうか。
まあ、でも高野和明の小説を久しぶりに読めたのは大きな喜びでしたね。
何しろ『ジェノサイド』以来11年ぶりですから。
いろんなサイトや動画でレビューがあるとしたら、『踏切の幽霊』よりも『ジェノサイド』でしょ的な流れになりそう。
それで『ジェノサイド』人気が再燃するのも面白いですね。映像化が待たれる作品ですから。
さて、今回の直木賞候補作は他のも読んでみようと思います。時代小説の2つは多分読みません。
読んだらまた感想を書きますね。
それでは、また。