【読了記録】神様の定食屋/中村颯希(心が温まるわぁ)
どうも、さっさです。
中村颯希の小説『神様の定食屋』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
Kindle Unlimitedのおすすめに出てきました。
普段はミステリーばかり読んでいるのですが、たまにこういう温かいものを読みたくなります。いいタイミングでした。
読書端末はKindle Oasisを使っています。
スマホやタブレットにもKindleアプリは入れていてたまに読みますが、やっぱり読書端末の方がいいですね。
あらすじと感想
妹とともに、両親の遺した定食屋を継ぐことになった高坂哲史。ところが哲史は料理がまったくできず、妹に怒られてばかり。ふと立ち寄った神社で、「誰かに料理を教えてもらいたい」と愚痴をこぼしたところ、なんと神様に、この世に未練を残した魂を憑依させられてしまった。神様曰く、魂から料理を教わる代わりに、その魂が望む相手に料理を振る舞い、未練を解消してやってほしいということで―。思い出の味を繋ぐ、五編の心温まる物語。
「BOOK」データベースより
マウスでクリックすることが前職での最大の肉体労働であった高坂哲史。妹の志穂と共に「てしをや」という両親が遺した定食屋を継いでいます。
神社でスキルアップを願う哲史に、なんと神様からの返事があったのでした。
神様は成仏しきれていない料理上手な人をピックアップして、哲史の体に乗り移らせます。生きている人の願いと、成仏しきれていない人の願いがかみ合うなら、神様としてもOKなわけです。
この神様がユーモアのあるナイスキャラ。お酒が好きで、以降哲史が酒を土産に何回も神社を訪れることになります。
チキン南蛮。
天たまかけご飯。
具だくさん豚汁。
フレンチ風オムライス。
「てしをや」名物・唐揚げ。
ほくほくおでん。
全部で6品出てくる短編集となっています。
成仏しきれなかった人たちが哲史の体に乗り移って、ゆかりのある人物に上記のメニューを食べてもらいます。
不思議とゆかりのある人物が「てしをや」を訪れるんです。いいにおいに釣られたとかで。
できたご飯もうまそうだし、亡くなった人にまつわるドラマもいい。
いろんな人の物語を見ながら、哲史の料理人としての成長もある。
これは面白いシリーズに出会えました。
僕のお気に入りは「具だくさん豚汁」。
亡くなった姑と義理の娘。お互いに伝えられなかった想いとは、という感じのお話です。泣いたな。
厳しさの中にある優しさ、というよくある話ではあります。
ですが、最近こんな風にビシッとした躾がされている家庭が減ってきたと思うんですよね。
まあ、だから僕みたいな塾講師がやれ挨拶だの姿勢だの言葉遣いだのと、生徒たちに色々言わせてもらっているわけです。
そんな状況と重なりまして、「具だくさん豚汁」が印象的な話でした。
他の章ももちろん面白いです。料理の勉強にもなります。
まとめ
いかがでしたか?
今回は中村颯希の小説『神様の定食屋』の読了記録でした。
この小説はシリーズになっていて、3巻まであります(2023年5月時点)。
まだ映像化されていないのが不思議なくらい、いい作品と思います。
心が温まる小説というと、青山美智子が思い浮かびますが、中村さんもいい感じ。
ただ、寝る前に読むのはオススメできません。
お腹が空くから!
気になったらぜひ読んでみてください。
それでは、また。