【読了記録】生存の図式/ジェイムズ・ホワイト(サバイバルSF、爆誕)
どうも、さっさです。
ジェイムズ・ホワイトの小説『生存の図式』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
Amazonで小説の新刊を探してたどり着きました。
単行本が1983年に出版されているのですが、Amazonでまだ誰もレビューしていないのもきっかけになりました。
じゃあ、僕が世界最速レビューしようじゃないか、と。
創元SF文庫の小説を読むのは『星を継ぐもの』以来。
楽しみな反面、Amazonで誰もレビューしていないということは、誰も興味ないのではという不安も(汗)。
さあ、果たして。
あらすじと感想
第二次世界大戦のさなか、連合国輸送船団の改装タンカーが、Uボートの急襲をうけ沈められ、海面下を漂いはじめた。だが船内は、当面のあいだ生存可能な条件が保たれていた。閉じこめられた男女5人は、生き延びるための闘いをはじめる。一方、はるか恒星間宇宙をゆく異星人の大移民船団があった。彼らは冷凍睡眠のもと新天地を目指しているが、計画の根幹を揺るがす事実が判明した。ふたつの物語が交互に進行する本格SF長編。
Amazon商品ページより
よくできた話です。
まあ、10代の頃に読んでいたら、間違いなく記憶に残る1冊だったと思います。
でも、『三体』とか『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んでしまった40歳の今、これらを超えるSF小説とはなりませんでした。
物語は確かにお見事。
今まで映像化されていないのが不思議なほど、よくできた話です。
戦時の海面下で過ごす男女5人と、異星人であるアンサ人の宇宙冒険。この2つが交互に語られる展開。
どちらも危機的状況の中、生存の道を探し続けます。
海面下の方は、酸素と食料の問題はほぼないものの、脱出できない中でどう生きるか。孤独や退屈との戦い方は一読の価値あり、という感じです。
アンサ人の方は、冷凍睡眠に入る回数が増えるほど、脳細胞に影響があって、記憶が失われてしまう危険性がある中、目標とする星にたどり着かなければいけません。それには15世代分の年月がかかります。
この2つの話が交わる時が物語の終着点。
感覚としては、別にどうということはありませんでした。ですが、本当によくできた話だと思います。
人物把握がしづらいのが外国小説の特徴ですが、この小説は人数が限られている上に、忘れても巻頭の「登場人物」ですぐ確認できるので、把握はスムーズでした。
アンサ人は水棲生物という設定なので、もし映像化されるならフルCGがいいんじゃないかな。「トイストーリー」的な。
タイトルの「生存の図式」の意味はよく分かりませんでした。
分かりたくて、実は再読したんですが、それでも分かりませんでした(笑)。
作者のジェイムズに聞きたい。一体どういう図式なんだろう?
まとめ
いかがでしたか?
今回はジェイムズ・ホワイトの小説『生存の図式』の読了記録でした。
久しぶりにSF小説を読みましたが、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は超えませんでした。
1983年の本だと思うと、かなりよくできた話とは思いますけどね。
発売から1週間たちますが、Amazonでレビューをしたのは、まだ僕だけ(汗)。
あまり注目されてないのかな。
それでは、また。