【読了記録】ANK:A MIRRORING APE/佐藤究
どうも、さっさです。
佐藤究の小説『ANK:A MIRRORING APE』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。
読んだ経緯
AmazonでKindle Unlimitedを周回していたら出会いました。
佐藤究の小説は、以前『テスカトリポカ』を読んで大感激した覚えがあります。
他の作品も読んでみたいと思っていたところだったので、いいところで出会えました。
小説は紙の本より電子版で読むタイプ。この小説もKindle Oasisで読みました。
あらすじ
2026年、京都で大暴動が起きる。「京都暴動=キョート・ライオット」だ。人々は自分の目の前にいる人間を殺し合い、未曽有の大惨劇が繰り広げられた。事件の発端になったのは、「鏡=アンク」という名のたった1頭のチンパンジーだった。霊長類研究施設に勤める研究者・鈴木望は、世界に広がらんとする災厄にたった1人で立ち向かった……。
Amazon商品ページより
物語は色々過去にさかのぼりつつ展開。
読み進めるごとに、京都での暴動に至る経緯が少しずつ分かってきます。
アフリカから連れてこられたチンパンジー、アンクがきっかけで人々が暴徒化。
研究施設から脱走してしまうアンク。
研究者・鈴木望が追いかけます。
評価
☆☆☆☆★(星4)
これはすごい。新しい。
映画「アウトブレイク」みたいに致死レベルの伝染病が広がるわけでもない。
ドラマ「ウォーキングデッド」みたいに、ゾンビの世界を生き抜く感じでもない。
けど、これらに近い衝撃。
1頭のチンパンジーのせいで、人々が暴徒化。鏡を絡めた、そのメカニズムの解明の描写は他の小説では例がなく、最後まで斬新でした。
実際にあり得ることだとしたら、こんなに恐ろしいことはありません。
また、序盤はいろんな過去に行ったり来たりで、キャラと時系列の把握が大変。
でも、暴動に至った経緯を見逃すまいと、必死について行かされます。
それが楽しい。
まとめ
いかがでしたか?
今回は佐藤究の小説『ANK:A MIRRORING APE』の読了記録でした。
『テスカトリポカ』と同じ人が書いた小説って納得。
非日常へのいざないが心地よいです。
『テスカトリポカ』を読んでから、ずっと読みたいと思っていましたが、「このミス」や「直木賞・芥川賞」など寄り道をしていたら、ずいぶんたってしまいました。
この小説は、序盤から中盤にかけての把握が大変かもしれません。でも、ちゃんと理解できなくても大丈夫。早く暴動が起きた京都に突入してしまいましょう。
逃げるアンクと追う鈴木、暴動に至るメカニズムのくだりが面白いですから。
それでは、また。