【読了記録】蝶の眠る場所/水野梓(読後に分かる、タイトルの味わい深さよ。)
どうも、さっさです。
水野梓の小説『蝶の眠る場所』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2021年4月12日
読了 2022年5月
読んだきっかけ
まさかの、Twitterで水野さんにフォローしていただいたご縁。それで買いました。
https://twitter.com/mizuno_azusa815?s=20&t=7o6D0syJAmsEzTYDdOR8kg
早稲田大学卒の報道記者で、現在は財務省や内閣府を中心に取材しながら、報道番組のキャスターを務めているそうです。
普段、Amazonや近所の本屋を回っていても、絶対に目を止めなかったであろう貴重さ。
一期一会が大事だと思いましたね。
僕は小説を書くことはできませんが、読んだ感想を伝えることはできますし、大事なことと思っています。
Twitterの読書アカウントで、いつかは作家や出版関係者と接点が持てたら、とは思っていました。夢が1つ叶いました。
実際、『蝶の眠る場所』は面白かったです。
文庫化、映像化されていいものです。
あらすじと感想
「私は事件には一切関係していません。真犯人は別にいます」そう言い残して絞首台を登っていった男。時は巡り、小学生が学校の屋上から落ちて亡くなるという事故が起きる。いじめによる自殺の線で取材を進めていたテレビ局社会部の女性記者は、少年の母親が、冤罪が疑われる事件の加害者として極刑となった男の娘だと知る。果たして二つの事件と事故に関連はあるのか!? 警察権力との暗闘の果てに、女性記者が辿りついた真実とは。
「BOOK」データベースより
「真犯人が別にいる」と今井武虎は言い残し、死刑が執行されました。
時が経って、小学校の屋上から飛び降りた清水大河。
いじめによる自殺の線で捜査は進みます。
しかし、学校ではいじめはなかったとされ、清水大河の母親は「殺された」と陸に打ち上げられた魚のように口をパクパクさせているのでした。
主人公は榊美貴、毎朝放送社会部の女性記者。
警視庁に強いパイプを持つ記者の先輩・南條に話を聞くところから取材はスタート。
と、ちょっと逸れますが、この料亭っぽいところで気になるお酒、登場。
秋田の酒粕焼酎「時空の扉」。
親方みずから注いでくれるのは『時空の扉』。秋田の酒粕焼酎だが、日本酒の大吟醸を思わせる上品な香りで、口に含んで転がしたときの、やさしく奥深い味わいがたまらない。
本文中より
うまそー!!!
酒好きには気になる一品です。
ちなみに過去には、
『テスカトリポカ』に出てきた「メスカル」、
東野圭吾「ガリレオ」シリーズに出てきた「森伊蔵」、「オーパス・ワン」、
こんなところが印象に残っています。話を戻します。
美貴は清水大河の母親・結子と接触。
結子は酒に溺れていました。薬物やアルコール依存の人がなりがちな、不健康に痩せた体型をしていました。
結子のアパートを出ると、清水大河は最寄りの駅から4駅離れた小学校に通っていました。
もっと近くに小学校はあるのに、なぜわざわざ離れた小学校に通学していたのでしょうか?
美貴は大河が通っていた小学校へ。
教頭先生は冷たくあしらわれてしまいますが、クラブの先生にはうまく接触できました。
大河が所属していた理科実験クラブの部屋には、ピーちゃんというインコがいました。
「ターイーガクン、ヒトゴロシ」
ピーちゃんが放ったまさかの一言。
いったいどういうことなのか?
この後、美貴は以前の不祥事が原因で、冴えない深夜番組の担当にさせられてしまいます。
ですが、持ち前の行動力で、事件の真相を解明していきます。
全てが明らかになった時、「蝶の眠る場所」というタイトルが急に味わい深くなります。
「そういうことか。確かに」
人間について深く考えさせられる小説でした。
オススメです。
それでは、また。