カズオ・イシグロ

【読了記録】忘れられた巨人/カズオ・イシグロ(平和とは?愛とは?)

さっさ

どうも、さっさです。
今回はカズオ・イシグロの小説「忘れられた巨人」読了記録。

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読んだきっかけ

『作家の値うち』で最高得点だったからです。

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「小説は読みたいけど、駄作は読みたくない」と悩んでいました。

ここ数年、芥川賞や直木賞、このミステリーがすごい!、本屋大賞、映像化作品の原作を追いかけてきました。

でも、正直義務感で読んだものもいくつかあったんですよね。

東野圭吾の本なら全部面白いんですけどね。この違いは一体何なんだろう?

そんな時に本屋で出会ったのが『作家の値うち』。

評論家の目で、どういう小説が面白いのかを勉強しました。

そこで『忘れられた巨人』は99点。最高得点がつけられていたのです。

あらすじ

遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村をあとにした老夫婦。一夜の宿を求めた村で少年を託されたふたりは、若い戦士を加えた四人で旅路を行く。竜退治を唱える老騎士、高徳の修道僧…様々な人に出会い、時には命の危機にさらされながらも、老夫婦は互いを気づかい進んでいく。アーサー王亡きあとのブリテン島を舞台に、記憶や愛、戦いと復讐のこだまを静謐に描く、ブッカー賞作家の傑作長篇。

「BOOK」データベースより

老夫婦のアクセルとベアトリス。息子に会いに行くために、長年暮らした村をあとにして旅に出ます。

夫婦の周りにはいつも霧が立ち込めていて、昔のことをなかなか思い出せません。でもそれは、夫婦だけではなく、この世界の住人みんなにも当てはまります。みんな何かを忘れて過ごしているのです。

途中で鬼や竜、妖精が出てきます。

途中で霧が晴れて、人々は残虐な民族間の戦いと復讐の記憶を、そして老夫婦は互いの葛藤を思い出します。

カズオ・イシグロは作品の中で、地球のどこかを基にした新しい世界を作り上げるのが特徴です。

今回は古代イギリスが舞台で、アーサー王が絡んできます。かつては王のために戦ったのに、時が経って、ブリトン人とサクソン人に分かれて戦うことの虚しさ。これだけ分かっていれば大丈夫です。

総評

・途中きつかったです。

なんとか読み切りました。ミステリーみたいに、何がどうなるという感じではないので、純文学として読まないといけません。

・こちらに「考える力」がないと読後に放り出されます。

この作品のさっさ的テーマは「忘却と戦争、愛」。記憶がなくなるのは悲しいけれど、忘れていた方が良かったこともあるのではないか。何もかも思い出してしまった時に、以前と同じようにしていられるか。そんな問いかけに、考えさせられる作品です。

でもこれは読後にネットで色々調べた結果、導いたもの。

何がどうなることもない展開に、途中で何度もくじけそうになり、ネットでストーリーだけ知りたいって、何度思ったことか。

何も知らずに受け身で読むと、「ふぅん、それで?」となってしまうでしょう。

僕にはカズオ・イシグロはまだ早かったかもしれません。『クララとお日さま』も読みましたが、これも一気には読めなくて、なかなか大変でした。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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