「ハサミ男」[殊能将之](映像化不可能!)
どうも、さっさです。
今回は殊能将之の小説「ハサミ男」ネタバレ無し。
Twitterで読書アカウントの人のツイートを見て、興味が湧いて即ポチしました。
結果、めちゃくちゃ面白かったです。
どんな本?
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。
Amazonより
三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。
自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。
「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。
面白かったですね。
途中で気付ける読者もいると思いますが、僕は最後の最後までだまされました。
映像化がされています↓しかし「十角館の殺人」のように、原作のまま映像化するのは不可能な作品です。
著者はどんな人?
■殊能将之(しゅのうまさゆき)
Amazonより
1964年、福井県生まれ。
名古屋大学理学部中退。
1999年、本作で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。
著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『樒(しきみ)/榁(むろ)』(全て講談社ノベルス)がある。
あらすじ
まずは、犯人の目線でスタート。
「わたし」は3番目の犠牲者を樽宮由紀子と決めて、下見をします。
既に小西美菜と松原雅世を殺害。
その時には「ハサミ男」とマスコミが騒いだ。
「わたし」がアルバイトをしている氷室川出版は、中高生対象の添削式通信教育を始めていました。
ファイルキャビネットには、会員の入会申込用紙と、これまでの成績や感想カードなどの資料が収納されています。
殺害された2人と、樽宮由紀子を「わたし」が発見したのは、このファイルキャビネットの中からでした。
自殺願望がある犯人
「わたし」は何回も自殺を試みます。
クレゾール石鹸液を飲んだり、大量のタバコを溶かした液体を飲んだり、首を吊ろうとしてみたり。
でもなかなか死ねません。
医者とは自殺し損なうたびに面談しています。
「死にたいなら、もうとっくに死んでるはずだろう。そうじゃないかね」
3人目の犠牲者となる樽宮由紀子
私立高校の2年生。
清楚で真面目な印象の美人。
ところが彼女には男が複数いるらしい。
「わたし」は由紀子を複数日に渡って尾行します。
ファストフード店で男性と楽しそうに話している姿を目撃。
仕事帰りの父親と話をしていたのだろうか?
そんな由紀子が何者かに公園で殺害されます。
発見したのは、その日も尾行しようと待ち伏せしていた「わたし」。
いつまでたっても駅に現れない由紀子のことが気になって、公園に足を伸ばしたところの発見でした。
由紀子の首には、ハサミが突き刺さっていました。
…一体誰が?
そう、「わたし」が殺す予定だった由紀子は、他の誰かに殺されていたのです。
そこに運悪く、通行人が声をかけてきたため、「わたし」は第1発見者のふりをして、警察を呼ぶように頼むのでした。
ただし、カバンに入れていたハサミを見られたらおしまいなので、とっさに茂みの中に捨てます。
捜査
ここからは「わたし」と警察の視点が行ったり来たりしながら、物語は進行します。
殺害方法や被害者に性的暴行の痕跡がないことから、警察はハサミ男の犯行だと考えます。
「わたし」は医者に真犯人を見つけるべきだと言われます。
嫌だと拒否するも、興味はありました。
警察では犯罪心理捜査官の堀内が捜査に加わります。
今回の犯行がハサミ男による可能性は75%と言います。
堀之内いわく、由紀子は弓道部だったらしい。
由紀子の告別式では、母のとし恵が見事なスピーチ。
由紀子の死を悲しんでいないようにも見えました。
容疑者は?
告別式で見た由紀子の父親は、「わたし」がファストフード店で見た男性とは違う人物でした。
では誰が由紀子と会っていたのか?
週刊アルカナの記者とのやり取りから、由紀子と肉体関係を持つ体育教師の岩佐邦馬の存在が明らかに。
遺体発見現場に落ちていた「K」とイニシャルがあったライター。
なぜ由紀子は多くの男性と関係を持ったのか?
「わたし」が由紀子の尾行の時に寄った「おふらんど」という喫茶店。
店主は由紀子のことを知っていて、ユキちゃんと親しげ。
由紀子の両親は再婚していた。
とし恵と由紀子、父親の一弘と弟の健三郎はそれぞれ血が繋がっています。
健三郎は由紀子に恋愛感情を持っていました。
なんだか複雑な家庭のようです。
果たして犯人は?
まとめ
最初はとっつきにくい印象がありましたが、後半に進んでいくにつれて、どうなるんだ、と読むスピードが加速していきます。
ミステリー好きにはたまらない作品です。
Amazonの本読み放題サービス、Kindle Unlimitedはこちらから↓
https://amzn.to/3o7xonD