【読書記録】後鳥羽伝説殺人事件/内田康夫(浅見光彦シリーズ始まる)
どうも、さっさです。
内田康夫の小説『後鳥羽伝説殺人事件』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
読んだきっかけ
夕方のBSドラマを毎週検索していて、気になるドラマがあったら予約録画しています。面白かったものは原作小説も読むようにしています。平成前半のものが多くて面白いんですよ。
そんな中で、やたら浅見光彦が出てくる時期があって気になりました。見たことがないものですから。
調べたら、今作を含め歴史や地理に関わる殺人事件が多い。塾の社会の授業で役に立ちそうな気配があります。
後鳥羽上皇なんて塾の授業で毎年絶対やりますからね。何か新ネタないかな、という気持ちもあって読んでみました。
あらすじと感想
一人旅の女性が古書店で見つけた一冊の本。だが、その本を手にした彼女は、広島県の芸備線三次駅で絞殺死体となって発見された。しかも、被害者の所持品に本は含まれていなかった。捜査が進むにつれ、被害者は浅見光彦の妹・祐子と8年前にこの地方を旅していて土砂崩れに巻き込まれ、一人生き残っていたことが明らかになる。“後鳥羽伝説”の地を舞台に再び起きた悲劇の意味は……。名探偵浅見光彦が初めて登場した記念碑的作品。
Amazon商品ページより
Kindle版は2000年9月ですが、最初の発行は1985年1月。なるほど文体が古臭さを感じさせます。僕は好きですけどね。松本清張とか京極夏彦にも似た雰囲気があります。
三次駅での被害者女性については「醜女(しこめ)」と、ブスであるということがストレートに書かれています。この時代ならではの記載と思います。
後鳥羽上皇絡みでいくとこんな内容が。
鎌倉時代である1221年に「承久の乱」という戦いがありました。後鳥羽上皇が京都で鎌倉幕府に反旗を翻したというもの。一説には愛人の亀菊への地頭(年貢回収係)による対応が乱暴であったことを怒ったとするものもあります。
乱の結果、敗北した後鳥羽上皇は隠岐へ流されてしまうのですが、その時に通ったのが今作の事件現場である広島県の三次ということなんですね。しかも、影武者を使って通った道と、上皇本人が通った道とがそれぞれあるという説が書かれていました。面白い。
塾の授業のために後鳥羽上皇のことは調べ尽くしたと思っていましたが、新発見ですね。真相は不明ですが、事実でもいい話です。でも授業では話す必要はないかな。
まあ、こういうものは10を知って1を話す方が深みが出るってものとしましょう。
結末は意外なものでした。特に犯人が。あんたかいっていうね。踊る大捜査線のスピンオフ「逃亡犯・木島丈一郎」を思い出しました。
被害者が持っていた古書、これがキーアイテムとなるのですが、こういうものを大事にする人がいるというのも印象的でしたね。被害者はこの本を古本屋で8000円で購入しています。当時の物価で8000円ですから、よほどの高級本ですよね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は内田康夫の小説『後鳥羽伝説殺人事件』の読書記録でした。
調べたら他にも色んな歴史の伝説に絡んだ事件の話があるみたい。これを機にどんどん読んでみようかな。
ああ、読みたい本がまた増えてしまった。既にたくさんの本で渋滞しているのに(汗)。
ま、いっか。読みたい本をのんびり読んでいくんだ。
今は『レーエンデ国物語』を読んでいます。2024本屋大賞にノミネートされていて、ノミネート作品を全部は読んでいませんが、これが絶対1位だと思ったら5位でした。読んだら感想を書きます。
それでは、また。
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