【読了記録】猿と人間/増田俊也(vs猿、850頭)
どうも、さっさです。
増田俊也の小説『猿と人間』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
Twitterで著者の増田さんにフォローしていただいたのがきっかけです。
珍しく「レ点」が付いた人からフォローされたので、誰かと思いました。
作品をチェックしてみると、『猿と人間』が最新刊のよう。
表紙を見ただけで、「これ絶対怖いやつ」と分かりました。ドラマ「ウォーキングデッド」は好きで全部見たので、それの猿版と想像して、楽しみにポチりました。
結果、すごかったです。
猿、怖い。
Kindle版で購入して、端末はKindle Oasisで読みました。
あらすじと感想
ジビエレストランを経営する父・誠一郎に連れられ、人里離れた集落に狩猟にやってきた高校一年生の加藤英輔。
Amazon商品ページより
両親は離婚しており、母親は来月再婚する。離れて暮らしている父と、最後の親子水入らずの時間を過ごすなか、英輔は森に何か不穏な影を感じていた。
やがて忍び寄る猿! 猿!! 猿!!! ひときわ体の大きい、顔の黒い猿をボスとした百匹以上の群れは狂暴化し、二人に襲いかかり――!
父・誠一郎と高一の息子・英輔。複雑な事情を抱える中、人里離れた集落にやってきました。
好きなサッカーを途中で辞めてしまった英輔。誠一郎の想い。そんな話にしんみりしたりホッコリしたり。
狩猟の段取りのくだりも非日常で興味深い。英輔が罠の仕掛け方や散弾銃の撃ち方を学ぶ場面も面白い。
設営したテントの近くには、いつもお世話になっているお婆ちゃんが集落最後の1人として住んでいます。
また別のところではある大学の研究チームが5人で来ていて、猿の研究をしているとのこと。メンバーの1人が出ていってしばらくたつのに、まだ帰らないと言います。
不意に揺れる草むら。
不安な英輔を「大丈夫」と励ます誠一郎。
やがて、狂暴化した猿の群れが2人に襲いかかります。
昔、長野県の地獄谷を訪れた時に、「襲ってくるから猿と目を合わせてはいけない」という注意書きがあったのを思い出しました。
確かに目を合わせてしまった知り合いは、いつまでも追いかけられていましたね。猿は「この野郎」という感じで、マジでした。
あれの狂暴化バージョン、しかも何百頭という群れが襲いかかってくるのですから、たまったものではありません。
物語としては、何人かの犠牲がありながら、最終的には主人公は助かるだろうと、他の似たような作品から予想はつきます。
でも、そう分かっていても没入感がすごかった。
自分も英輔と一緒にいるかのような感覚で、最後まで緊迫感がありました。
Amazonレビューだと、終わり方に賛否あるみたいですが、僕はちょうど良いです。
確かに「もっと見たい」という感覚はありました。でもそういうところで突然終わる小説って、実は記憶に残るんですよね。誰かと話す時も絶対話題になります。
東野圭吾だと『パラレルワールド・ラブストーリー』がそうでした。「えー!ここからじゃん!」という感じ。
まとめ
いかがでしたか?
今回は増田俊也の小説『猿と人間』の読了記録でした。
久しぶりに小説で没入感を味わいました。猿って怖いですね。
最近「新宿鮫」シリーズを立て続けに読んでいる中での、この本でした。ヤクザや拳銃、麻薬も非日常の面白さがあります。
でも、猿が襲ってくるというのは、また違った衝撃があります。
DNAが人に近いところが要因でしょうか。映画「ジュラシックパーク」で恐竜が襲ってくるのとも、また別の怖さがあります。いいですね。
良い本に出会えました。
気になったらぜひ読んでみてください。
寝る前は危ないかも。興奮で眠れなくなるか、夢に狂暴な猿が出てきますよ、きっと。
それでは、また。