【ネタバレ無しの読了記録】方舟/夕木春央
どうも、さっさです。
夕木春央の小説『方舟』を読みました。
ネタバレ無しの感想です。
Amazonの商品詳細↓
単行本が¥2,596
Kindle版が¥1672
普段Kindle版で本を買うことが多いのですが、ここまで価格差があるのは初めて。塾で使っているコピー紙の値段も上がっていますが、出版業界も同じく紙の値上げがあったのでしょうか。
そういえば、Kindle本体も新しいものが出ていました。
今度は手書きのペンがついている高級モデルです↓
読んだきっかけ
Twitterを開くと誰かの読了記録や買った本のツイートがバーッと出てきますが、『方舟』を見かけることが多くなりました。
しかも、みなさんの感想が良さげ。読んでみることにしました。
あらすじと感想
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。
Amazonの商品ページより
裕哉の父が所有する、長野県の別荘に遊びにきていた柊一たち。
裕哉が「近くに面白いところがある」と言って、謎の地下建築にみんなを連れて行きました。
出入り口は2箇所。地下3階まであって、断面図が作中に出てくるのですが、まるで「方舟」。
地下3階は浸水していて、潜って泳がないと反対側に出られない仕組み。
泊まった翌朝、地震が発生して扉が岩でふさがれ、水が流入し始めます。そして、殺人事件発生。
水没までのタイムリミットは1週間。それまでに犯人を探し出し、できればその犯人に脱出のための装置を動かしてもらい(動かした人は脱出不可能で溺死確定)、犠牲になってもらいたいところ。
さあ、果たして。
読んでいる最中の感覚は『かまいたちの夜』と似ています。
閉ざされた環境の中での、犯人探し。しかも、殺人は続くという感じ。
登場人物は大学時代の友人や夫婦、キノコ狩りで迷い込んできた家族という構成なんですが、みんな別に怪しくないんです。
犯人が分かった時はビックリでしたね。
この小説は犯人が分かった後もさらにビックリな展開がありました。
それがこの本の面白さで、Twitterで話題になっているのだと思います。これはぜひ読んで欲しいですね。
また、読後に表紙を眺めてみるとなんとも味わい深い。
「方舟」の文字の下半分がゆらゆらして水没している感じ。
そして、冒頭であった「ノアの方舟」の話との絡み。
いやあ、お見事。
読後にもう1度表紙を眺めるって、面白くて最近ずっとやっています。
久しぶりに面白い小説を読みました。
今回は当たりです。
きっと映像化されますよ。若手俳優たちの出世作になりそう。登場人物は少ないし、ベテラン俳優は2人だけでいいです。しかも場所も移動しないから、制作側もコストがかからなくていいのではないでしょうか。
それでは、また。