アキラとあきら/池井戸潤(映画原作を読んでみた)
どうも、さっさです。
池井戸潤の小説『アキラとあきら』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
読んだきっかけ
2022年8月26日に映画公開ということで、原作を読もうと思いました。
過去にドラマ化されてるんですね。知りませんでした。
池井戸作品で前に読んだのは『ノーサイドゲーム』。
小説もドラマも抜群で、ボロボロ泣きました。『ルーズベルトゲーム』や『陸王』も面白かった。スポーツものはハズレなしですね。
今回は半沢直樹シリーズ以来のバンカー(銀行員)もの。
半沢直樹は小さき者が巨悪を倒すストーリーが面白く、燃えましたね。「倍返しだ!」ってどれだけ真似したことか。
あらすじと感想
小さな町工場の息子・山崎瑛。そして、日本を代表する大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬。同じ社長の息子同士でも、家柄も育ちもまったく違うふたりは、互いに宿命を背負い、運命に抗って生きてきた。強い信念で道を切り拓いてきた瑛と、自らの意志で人生を選択してきた彬。それぞれの数奇な運命が出会うとき、逆境に立ち向かうふたりのアキラの、人生を賭した戦いが始まった――。
Amazon商品ページより
メイン舞台は、アキラとあきらが就職した産業中央銀行。
銀行の新人研修で交わったものの、違う部署に配属された2人。それぞれの仕事をこなしながら、78%のところ(上下合本版の場合)で本格的に出会い、逆境に立ち向かいます。
評価 ☆☆★★★(星2つ)
うーん、小説を色々読み過ぎて心が麻痺してきたのか、今回はまあどうということはありませんでした。
あきらの一族が経営する産業中央銀行。顧客満足度アップと内部充実、同族経営の難しさは勉強になりました。
でも、半沢直樹みたいに小さき者が巨悪を倒す爽快感はありません。
『ノーサイドゲーム』や『ルーズベルトゲーム』みたいに、さまざまな制約がある中での頑張りで感動があるわけでもありません。
従業員300名を抱える銀行でのトラブルを、何とか乗り越える。
これだけです。
アキラとあきらが出会ったときの化学反応に感動があると予想して読んでいましたが、そうでもありませんでした。
それよりも、
「なかなか交わらないな、この2人。もう下巻の中盤だけど…」
と、心配の方が勝ってしまいました。
まとめ
今回は池井戸潤の小説『アキラとあきら』の読了記録でした。
読んでいると、我慢や忍耐を長期的に強要され、健康を犠牲にしていた前の会社のことを思い出してしまいました。
そもそも同族経営のところって、顧客満足度アップよりも内部の権力争いの方に熱心なのが定番。本当は大事な家族や親族。それなのに、役職が違うから「お前は黙ってろ」みたいな感じで、一般的な企業よりも遥かに難しいところがあります。
それに権力は持ち過ぎてもいいことがありません。実際は「早く手放して楽になりたい!」と過去も今も世界中の権力者たちが言っているものです。
こういう前提でいくと、「同族経営の銀行のトラブル解決」という話は、どうもピンときませんでした。
池井戸作品といえば、やっぱり巨悪を倒すとか、零細企業や個人の頑張りによる感動、こういったものが僕の性に合っているみたいです。
最近、賞を取ったりAmazonレビューで評価が高かったりする小説について、僕としては良いと思わない作品が増えてきました。
動画やテレビなら消せば良いのですが、小説は料金先払い。
面白いかどうかは開いてみないと分からないのが、難しく面白いところ。
「面白くない」という感想を持ってしまうものは仕方がありません。
こういう感想の人もいるんだ、という感じで受け取ってもらえたらと思います。
それでは、また。
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