【読書記録】霞町物語/浅田次郎
どうも、さっさです。
今回は浅田次郎の小説「霞町物語」読了記録。
読み終えたのは2021年9月16日。
1960年代後半の東京が舞台。高校生の僕(浅田次郎)の甘くて切ない連作短編集です。
読み始めたきっかけ
知り合いの勧めです。
2021年10月に映画「燃えよ剣」公開を知って、原作小説「燃えよ剣」を読了。
Amazonプライムで「新選組」を検索して映画「壬生義士伝」にたどり着く。
「浅田次郎か。どれどれ・・・」とこれも原作小説「壬生義士伝」を読了。
職場で部下に話したら、偶然その場で出てきた「霞町物語」を貸してもらいました。(なんでそれがかばんに入ってんの?)
あらすじ
青山と麻布と六本木の台地に挟まれた谷間には、夜が更けるほどにみずみずしい霧が湧く。そこが僕らの故郷、霞町だ。あのころ僕らは大学受験を控えた高校生で、それでも恋に遊びにと、この町で輝かしい人生を精一杯生きていた。浅田次郎が始めて書いた、著者自身の甘くせつなくほろ苦い生活。感動の連作短編集。
「BOOK」データベースより
1951年生まれ、東京出身の浅田次郎自身のお話とされています。
全部で8の短編があります。
僕(主人公)は高校生。祖父母や外国人教師、高校の知り合いたちとのエピソード、何人かちょっかい出した女との話です。大学受験を控えた年の話なので、1969年あたり。
レコード、改造した車、酒とタバコが当たり前の高校生、カメラの家庭普及で生計に困る写真屋、暗室に籠らないと現像できない写真、戦死した身内の記憶がまだ色濃い父、すぐに出てくる寿司、なかなか出てこない鰻、いつも着物を来ていた祖母、気軽に寝る男女。
当時に青春時代を過ごした世代には、たまらないですね。
読むたびに自分の青春時代が浮かんできて、手放せない1冊になるのではないでしょうか。
感想
・亡くなった父が浅田次郎と同い年ということに途中で気がついて、この作品の価値が急上昇。
最初は退屈しながら読んでいました。ミステリーでもなく、SFでもない。今はもう無いレコードが登場したり、改造した車を自慢し合ったりする高校生を「ふぅん」と眺めていました。たまに主人公が女にちょっかいを出すシーンがあって、そこはじっくり読みましたけどね(笑)
途中で、僕の父も浅田次郎と同じく1951年生まれだと気づきました。
レコード、車、酒、タバコ、都電、今はほとんどない写真屋、ボケた祖父、ライカという古いカメラ、厳しい祖母、たまに揉める祖父と父、先のことを考えずに求め合う男女。
父が青春時代を過ごした時をたどっていると思ったら、とたんに貴重な時間になりました。
父はよく喋る方ではありませんでした。会社員でほとんど家にいなかった印象が強いです。そういえば父の部屋には大きな本棚がありました。本がびっしり並んでいて「島耕作」のマンガが置いてあったのは覚えているのですが、他はさっぱり思い出せません。休日にはずっと読書をしていた印象があります。父は55歳で癌のため亡くなりました。僕が社会人1年目の5月のことでした。父がどんな本を読んでいたのか。答え合わせは、もうできません。ちなみに僕の部屋にも、本がびっしり並んでいます。
まとめ
いかがでしたか?
この作品は1960年代後半に東京で青春時代を過ごした青年が主人公のお話です。
両親や祖父母、高校の知り合いや先生とのエピソードをたどる。ミステリーやSFみたいに何がどうなるわけではありませんが、ただたどる時間が楽しい。
そんな作品です。
僕と同じ世代、アラフォーのあなた。
両親がどんな青春時代を生きたのか、知りたくありませんか?
たまには自身のことを忘れて、親の青春時代をたどるのも悪くありませんよ。
それでは、また。